中國飯店「花壇」は1970年に創業して以来、変わらぬ想いで伝統を重ねてきました。この場所に集う時間が訪れる方々にとってよりよいものであるように。それが現代の「花壇」を担う私たちの誇りであり、何よりの自慢です。
豪快で明るく、なにより食べることが大好きだった創業者の口ぐせは、「2人前食べて3人前働く」でした。中国で終戦を迎え日本に帰り着くまでのあいだ、現地で衣類などと食べ物を交換するのが上手く、食事に困ることがなかったという逸話もあり、現地の食事の味が深く記憶に残っていたといいます。日本に戻ってからは、戦前におこなっていた石炭の事業(http://www.urg.co.jp)が再開できることとなり、時代の成長とともに業績も上昇、従業員たちとおいしい食事を囲んでは、つねにさらなる未来を目指していました。
休日のたびに当時ではまだ珍しい中華料理を食べるため、住まいのある東京から横浜まで出向いていた創業者。家族や周囲の友人たちとその美味しさに魅せられ、大勢で賑やかに食事を囲める中國飯店を創業したことは、もはや必然でした。そして1970年8月、代官山フラワービルで「花壇」の歴史が幕を開けました。
料理もさることながら、当初より私たちが大事にしてきたこと。それはいつも“人が集まる場所”でありたいということでした。家族だけでなく会社やご近所同士の集まりが現代よりもさらに活発だった時代。大人数が一堂に会し、どの角度からもそれぞれの表情がしっかりと見える円卓をぐるりと囲み、大皿から料理を取り分け合うことで、共有した時間以上の価値がそこには生まれます。
そんな想いは、歴代の料理長をはじめとしたスタッフのなかで脈々と受け継がれてまいりました。現在でも数名での食事会から100人規模のご宴会まで、特別な時間をご提供し続けることに、花壇は大きな使命を感じています。人数や時間、料理の内容まで、お客様のご要望にあわせた柔軟な対応が私たちの誇りです。
創業時から今もかわらず、「おいしい」「ぜひ食べてもらいたい」というシンプルな想いでメニューをご用意してまいりました。本場さながら200ものメニューを数えたこともありますが、敷居を高くするのではなく、大勢で囲むことが楽しくなるような食事にこだわり続けてまいりました。世界中の食材を使い、中国料理の手法を通して最適な状態でお客様のもとへお届けすること。シンプルですが、現在もその信念は変わりません。
そして2016年、フラワービルの大規模改修とともに次の未来へ新たなる歩みを進めるべく、リニューアルを実施いたしました。生まれ変わった店内は、訪れる方により充実した体験をお約束いたします。時代の移り変わりとともに人と人との関わり方も変容していますが、花壇は原点回帰の想いで、今こそ改めて人が集まりその時間を共有することの素晴らしさをご提案していきたいと願っています。